- “貴族学校”を舞台にした、wavveオリジナルドラマ『清潭国際高校』の配信がスタート。
- かつての学園モノは、貧富の格差を扱っても、逆境の中で逞しく生きていくキャラクターが登場した。
- しかし最近は、“貧困は恥ずかしいもの”として描くシーンも登場し、視聴者からは“貧困ヘイト”を助長させるとの指摘の声が上がっている。

『花より男子~Boys Over Flowers』(画像出典:KBS2)
日本の韓ドラファンに長く愛されている名作、KBS『花より男子-Boys Over Flowers(2009)』、SBS『相続者たち(2013)』。
どちらも財閥の御曹司役を俳優のイ・ミンホが演じているが、今回注目したいのは、ドラマの舞台となっている“貴族学校”。
これまで韓国では、親の財力によって子どもの序列が分かれる“学園モノ”が多かった。
しかし、特に最近は、セリフや設定がより一層露骨になり、視聴者に「貧困は恥ずかしいこと」という印象を与え兼ねない演出がとられているという。
5月31日には、オンライン動画サービス(OTT)のwavveオリジナルドラマ『清潭国際高校』の配信が始まったが、ドラマに登場したシーンに、早くも批判の声が上がった。
ドラマの舞台である“清潭国際高校”は、年間の学費が1億ウォン(約1千万円)という、簡単には通えない“貴族学校”。
劇中では、学校運営に反対する庶民層の親を見た同校の生徒たちが「自分の子どもたちも、うちの学校に通わせてみれば。宙返りして喜ぶだろう」と話すシーンがある。
また、「学生が500万ウォン(約50万円)のカバンを買うのはお金がもったいない」と言った家庭教師の言葉に「お母さんが、韓国の人たちは、自分が持っていないものを欲しがらない“フリ”をすると言っていました。特に貧しい人々が」と皮肉を言う。
これらのセリフなどが、ドラマのターゲットである若者に、“貧困ヘイト”を助長させるのではないかと指摘が入ったのである。

wavveオリジナルドラマ『清潭国際高校』 (画像出典:wavve)
ドラマ『清潭国際高校』は、殺人事件の目撃者となった*次上位階層(차상위계층)である“土のスプーン”のヘインと、貴族学校の中でも“王族”であるジェナが、自分のものを守るために、手段と方法を選ばず奪い合う2人の権力ゲームが描かれるストーリー。
*貧困層には含まれない、低所得層のこと
ここで出て来た「土のスプーン」という表現は、貧しい家庭に生まれ、親から経済的支援を受けられない人のことを指す。
韓国には”スプーン階級論”というものが存在し、「親の職業や経済力によって人生が決定され、本人の努力では社会での階層が上昇することはない」という考え方を象徴する言葉として用いられる。
「土のスプーン」に対するのが「金のスプーン」で、親が持つ財力のおかげで経済的に恵まれており、裕福な家に生まれた人のこと。
2022年放送のMBCドラマ『ゴールデンスプーン』は、貧乏な家庭に生まれた「土のスプーン」の主人公が、偶然手にした“金のスプーン”を通して、お金持ちの家に生まれた友人と運命が変わり、後天的に「金のスプーン」になるというストーリーが描かれた。
ドラマ『清潭国際高校』では、偶然、他人のブランド品バッグをSNSにアップし「金のスプーン」であるかのようになったヘインが、「金のスプーンか、次上位階層か、きちんと話せ」と問い詰められる場面がある。
貴族学校では「土のスプーン」を貴族を羨ましがる人とし、“生まれから違う”と階級を分ける。
特別選考で入学した「土のスプーン」たちは、「貧しいこと自体が罪」として暴力を振るわれたり、普通の学校でも、次上位階層だと知られれば友人たちが遠ざける。
ドラマでは、“貧困は隠さなければならない恥ずかしいもの”として描かれているのだ。
この状況について、貧富格差を扱った青春ドラマを製作した、あるプロデューサーは「過去には貧富の格差を扱っても、難しい環境の中で力強く生きていくキャラクターを登場させたが、最近ではドラマが視聴者に“貧困が罪”という認識を植え付けている」とし、「ドラマの印象を残したいという狙いから、貧富の格差を極端に見せようとして起きる現象のようだ」と話す。
また、青春をテーマにした作品経験のある脚本家は「“土のスプーン”という表現に胸が痛むのは、単語自体に両親の状況までもが含まれているからだ。10代20代を前面に押し出した作品は、似たような状況に置かれた視聴者が受ける傷を考えて、言葉一つをとっても、慎重であってほしい」と伝えている。
特に若い世代をターゲットにした作品であるならば、“貧困”を取り上げる場合、その伝え方によっては悪影響を及ぼし兼ねないことを、より注意しなくてはならない。
最近は、“貧困ヘイト”を煽るようなドラマが蔓延しているため、憂慮の声が高まっている。
『清潭国際高校』
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