ここ数年、『シグナル 長期未解決事件捜査班』、『ボイス 110緊急指令室』など、韓国ドラマをリメイクした日本ドラマのラインナップが増えているが、逆に日本のドラマが韓国でリメイクされることも珍しくない。一般的にリメイク作品はオリジナルを超えることはできないと言われるが、韓国でリメイクされた日本ドラマのジンクスとは一体なんだろうか‥?
2003年に放送された日本の医療ドラマで、最高傑作をリメイクした『白い巨塔』は、2007年に放送され最高視聴率20.8%、主演のキム・ミョンミンのストイックな役作りが話題で高評価を得た。そして2007年、篠原涼子主演で放送されて高視聴率を記録した『ハケンの品格』のリメイク版として2013年に『オフィスの女王』が放送され、ベテラン女優キム・ヘスのカリスマ演技で最高視聴率14.2%と人気を博した。しかしここ3年、リメイク作品は、視聴率でかなり苦戦しているようだ。
韓国の大衆文化評論家は、“日本原作”韓国ドラマの苦戦の理由についてこう語る。
「日本と韓国は隣国同士であるが、大衆文化のコードが違う。韓国ドラマは“現実”に注目する傾向が強い一方、日本のドラマは多少誇張されたキャラクターやネタが多い。日本のドラマをありのままではなく、韓国の情緒に合わせて正真正銘の“リメイク”をすることが成功の鍵となる」
“ジンクス”とも呼ばれる“日本原作”韓国ドラマの苦戦を振り返ってみよう。
『リーガル・ハイ』(2012)
韓国版『リーガル・ハイ』(2019)
出演:チン・グ、ソ・ウンス ほか
最高視聴率:3.3% 最低視聴率:2.0%
オリジナルの主演は『半沢直樹』で一世を風靡した堺雅人。最高視聴率は14.5%と好成績だったが、韓国版は演技派のチン・グとライジングスターに名を連ねたソ・ウンスが主演で前作の歴代ケーブルドラマ史上最高視聴率(23.8%)を記録した『SKYキャッスル』に続くことは叶わず、惨敗に終わった。
『リーガルハイ』(動画出典:JTBC Drama)
『最高の離婚』(2013)
韓国版『最高の離婚~SweetLove~』(2018)
出演:チャ・テヒョン、ペ・ドゥナ、イエル、ソン・ソック ほか
最高視聴率:4.5% 最低視聴率:1.9%
オリジナル版は主演に瑛太、綾野剛と人気俳優を起用し、最高視聴率は13.5%、出演者も含め多数の賞を受賞している作品だ。韓国版ではベテラン俳優チャ・テヒョン、最近は海外ドラマへの出演などが目立っていたペ・ドゥナ、独特な雰囲気で強い存在感を放つイエル、ソン・ソックという4人の共演だったが、最低視聴率は1%代という残念な結果を残すことになった。
『最高の離婚~SweetLove~』(動画出典:KBS 한국방송)
『空から降る一億の星』(2002)
韓国版『空から降る一億の星』(2018)
出演:ソ・イングク、チョン・ソミン ほか
最高視聴率:4.0% 最低視聴率:2.3%
オリジナルは、人気お笑い芸人の明石家さんまと、当時SMAPのメンバーだった木村拓哉のダブル主演で、最高視聴率は27%を記録したドラマだ。韓国版はアーティストとしても高い評価を得ているソ・イングクが除隊後初のドラマ復帰作として主演し話題にはなったが、結果は振るわなかった。
『空から降る一億の星』(動画出典:tvN DRAMA)
『リッチマン、プアウーマン』(2012)
韓国版『リッチマン~嘘つきは恋の始まり~』(2018)
出演:スホ(EXO)、ハ・ヨンス ほか
最高視聴率:1.9% 最低視聴率:0.8%
オリジナルでは主演の小栗旬が演じた役を、韓国版ではKPOPトップアイドルグループEXOのリーダー、スホが演じたが、予想とは裏腹に最低視聴率が0.8%という散々な結果に終わってしまった。
『リッチマン~嘘つきは恋の始まり~』(動画出典:리모콘 by iHQ)
『美しい人』(1999)
韓国版『悲しいとき、恋をする』(2019)
出演:チ・ヒョヌ、パク・ハンビョル、パク・ハナ ほか
最高視聴率:13.0% 最低視聴率:6.6%
オリジナルは『TBS野島伸司シリーズ』第5弾となる野島伸司脚本、ドラマ『古畑任三郎』でお馴染みの田村正和が主演を務め、最高視聴率22.7%と大きな注目を集めた。他のリメイク版に比べると、高めの数字が出ていたが、同時間帯に放送された『神への約束』が平均視聴率13%を超え、最高視聴率18.4%の高視聴率を記録し、苦戦を強いられたまま終了した。
『悲しいとき、恋をする』(動画出典:MBCdrama)
最近は人気俳優や人気アイドルを主演に起用するも低視聴率になっているリメイクドラマ。今後このジンクスを打ち破れるリメイク作品は現れるだろうか。
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