韓国ドラマ『製パン王キム・タック』で温かな母親役に扮し、日本でも多くの韓流ドラマのファンたちに存在感を与えた女優チョン・ミソン。死去から1年経った今でも韓ドラファンの心の中では彼女が生き続けている。

2019年6月29日土曜日の午後。当時、この速報を耳にしたとき、初めは誤報だと思った。「まさか..」「嘘でしょう..」と頭の中が真っ白になったが、その報道は事実だった..

女優チョン・ミソンが、全羅北道全州(チョンラプクト・チョンジュ)のあるホテルの客室で亡くなった状態で発見されたという訃報が一斉に報じられ、韓国内はもちろん日本でも衝撃が走った日だ。

女優 チョンミソン

女優 チョン・ミソン(写真提供:©スポーツ韓国)

この日のわずか4日前まで公式活動をしていたチョン・ミソンは、発見された時間の数時間後に全北(チョンブク)大学・三星文化会館で開催される予定だった演劇『実家の母と2泊3日』に出演するために該当のホテルに宿泊していたということで、より一層衝撃が大きかった。

これまで無念の死を遂げた芸能人たちは多かったが、チョン・ミソンのように公演を目前に控えた人がこの世を去ったということは今までに無かったためだ。

チョン・ミソンは、スクリーンとドラマを通じて熱心に視聴者や観客に会い、各種芸能媒体で受けていたインタビューでも、自身の仕事を心から愛している様子を見せてきた。

そのため、当時、所属事務所側が「チョン・ミソンが普段からうつ病の治療を受けてきた」と明らかにしたとき、誰も彼女の死を見抜いてあげることが出来なかったと、韓国の大衆たちは悲しみに浸った。

チョン・ミソンという女優は、作品の中でいつも大きなインパクトを残し、彼女の演技や人柄が好きだという人たちは多くいるだろう。

製パン王キムタックで母親を演じたチョンミソン

製パン王キム・タックで母親を演じたチョン・ミソン(画像出典:Youtube スクリーンショット)

1989年KBSドラマ『土地』でデビュー後、ドラマ『製パン王キム・タック(2010)』『ファン・ジニ(2006)』『太陽を抱く月(2012)』、映画『殺人の追憶(2003)』など数々の話題作に出演。

特に『製パン王キム・タック』では、主人公を厳しく育てる一方で温かな心を持つ母親役に扮し“タック オンマ”という愛称を得て、日本でも多くの韓流ドラマのファンたちに存在感を与えた。

優れた演技力で後輩俳優から慕われていたチョン・ミソンは、芸能界では後輩・先輩といった上下関係を重んじることなく、いつも誰にでも“人と人”として温かな心で気を遣いながら接していたという。

また、普段から寄付や奉仕活動といった善行を陰ながらおこない、最後まで困難な人々のために大きな愛を与えていたチョン・ミソン。これまで積み重ねてきた彼女の素晴らしいキャリアは、これからもずっと韓ドラファンの心の中に生き続けるだろう。