- 俳優チョ・スンウの2年振りの新作ドラマ『離婚弁護士シン・ソンハン(邦題)』が好調なスタートを切った。
- 2000年に映画デビューした彼は、高い演技力を武器にわずか数年でトップ俳優に。
- 今や世間が「彼自体が一つの“ジャンル”」と絶賛する彼は「信じて見られる俳優」としてのポジションもキープ中だ。

俳優チョ・スンウが主演を務める、JTBCの法廷ドラマ『離婚弁護士シン・ソンハン』(画像出典:JTBC)
俳優チョ・スンウが主演を務める、新しい法廷ドラマ『離婚弁護士シン・ソンハン(邦題)』が、JTBCドラマの初回放送視聴率の歴代1位となった。
3月4日に放送された初回の視聴率は、ニールセンコリア有料世帯基準で、全国7.3%、首都圏8.1%と好スタート。これは『夫婦の世界(2020)』の6.3%(全国基準)、『財閥家の末息子(2022)』の6.1%(全国基準)を抜く記録である。
ドラマは、ピアニスト出身の弁護士が、型破りな方法で様々な依頼を解決していく波乱万丈なストーリーで、親友との友情が描かれた愉快なヒューマンドラマの要素も盛り込まれる。
チョ・スンウは、クラシックを扱ったピアニストだったが、今はトロットに夢中になった離婚専門の弁護士シン・ハンソン役。ワイングラスに焼酎を入れて飲んだり、友人と買ったキムチをきっちり半分に分けるため言い争うなど、一風変わったキャラクター。
そんなユニークな役柄を表現する彼のコミカルな演技は、「新たなチョ・スンウの魅力発見」と早くも視聴者の人気を得ている。

『離婚弁護士シン・ソンハン』に登場するシーン (画像出典:JTBC Drama YouTube キャプチャー)
実はドラマは放送前から、2022年にシンドロームを巻き起こしたあの人気ドラマ『ウ・ヨンウ』と物語の設定が似ていると話題になり、さらには、チョ・スンウのドラマ出演が2年振りということもあり、大きな期待が寄せられていた。
放送が始まり、彼の演じるキャラクターが視聴者の関心を引いた理由は、彼がtvN『秘密の森〜深い闇の向こうに〜(邦題/2017/以下、秘密の森)』で演じたクールで孤独な検事役とは全く異なる、人間味あふれる弁護士役で登場したから。
彼が演じるシン・ソンハンは、パク・ウンビンのウ・ヨンウに続く、新たな変わり者(?)弁護士として注目されている。

チョ・スンウ演じるシン・ソンハンは、元ピアニストの弁護士 (画像出典:JTBC)
チョ・スンウは、1980年3月28日生まれの42歳(2023年3月7日現在)。
彼は大学時代、約1,000人のオーディションを勝ち抜き、2000年に公開された韓国映画『春香伝』の主演で俳優デビューを果たした。
この映画は、韓国映画として初めてカンヌ国際映画祭コンペティション部門へ出品されるなど、彼はデビュー作から大きな注目を集めることに。
そして2003年には、日韓で大ヒットとなった映画『猟奇的な彼女(2001)』のクァク・ジェヨン監督の映画『ラブストーリー(原題:클래식/クラシック)』に出演し、女優ソン・イェジンと共演。
本作は日本で初めて、本格的なメロドラマとして観客の心を掴んだ韓国映画作品と言われており、チョ・スンウの切ないメロ演技は「映画最大の収穫」と評価され、彼の認知度も上がった。
2005年には映画『マラソン』で主演。自閉症のマラソンランナーを演じ、その優れた演技力が認められた彼は、”韓国のアカデミー賞”と称される『大鐘賞映画祭』の“主演男優賞”を受賞し、俳優としての名声を得た。

ソン・イェジンと共演した映画『ラブストーリー』(画像出典:movie.naver)
また、ミュージカル俳優としても活動していた彼は、2004年に『ジキル&ハイド』での熱演を通じて、“チョ・スンウシンドローム”を巻き起こし、韓国ミュージカル市場の大衆化を加速させた。
2005年の『ヘドウィグ』では破格的な変身を魅せ、様々な演技スペクトルを持つ俳優として好評を受け、2007年の『ラ・マンチャの男』も興行に成功。「*忠武路(映画)と大学路(ミュージカル)を同時に網羅する唯一の俳優」と高く評価された。
*韓国の地名で、韓国映画界の代名詞と言えば忠武路(チュンムロ)、韓国で演劇の街と言えば大学路(テハンノ)が知られている。
このように彼は、2000年のデビューから無名時代を過ごすこともなく、一気にトップ俳優まで上りつめ、俳優としての地位を築き上げた。まさに20代半ばの若さで、全てを成し遂げてしまったと言っても過言ではない。

チョ・スンウのドラマデビュー作は、2012年の『馬医』 (写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)
しかし、実はチョ・スンウはまだドラマには出演していなかった。ドラマデビューは、2012年の32歳の時。わずか10年程前のことだ。
ところが、ここでも彼は偉業を達成する。MBCドラマ『馬医』で主演を務め、年末に行われた『2012 MBC演技大賞』で、見事“大賞”を獲得したのである。
そして2014年に出演したSBSドラマ『神様がくれた14日間(2014)』でも好評を得た彼は、映画・ミュージカル・テレビにおいて演技派俳優としてのポジションを強固にした。
さらに2017年のtvNドラマ『秘密の森』では、脳の手術による後遺症で感情を失った検事役を演じ、視聴者を圧倒する演技力を披露。世間は「チョ・スンウがまさに一つの“ジャンル”だ」と賛辞を贈った。
今や彼は「信じて見られる俳優」と言われ、「彼が出演して失敗するものはない」と視聴者に安心を与える存在になっている。
俳優チョ・スンウという“ジャンル”の新作ドラマ『離婚弁護士シン・ソンハン』は、まだ放送が始まったばかり。彼が次はどんな偉業を見せてくれるのか楽しみである。
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