新型コロナウイルスの影響で撮影の中断が相次いでいる韓国芸能界。新ドラマの撮影がストップする中、見えてきた問題点と課題とは。
一旦は落ち着いたかのように見えた新型コロナウイルス感染症(COVID-19/以下、新型コロナウイルス)の猛威だが、冬に向かうにつれ、その勢力が増してきている。韓国でも日本と同じような状況にある今、懸念されていたことが現実のものとなってしまった。
2020年の夏に起きた、韓国ドラマ業界で相次いだ撮影の中断。新型コロナウイルスの再拡大により多くの撮影が中断を余儀なくされ、第2波の到来という事態の深刻さを感じさせていた。
再び起きたドラマの撮影中断
あれから3カ月が経った現在も同じことが起きている。SBSドラマ『ペントハウス』、JTBCドラマ『ハッシュ』をはじめ、計7作品のドラマが新型コロナウイルスの影響により撮影が中断されてしまうという事態に見舞われてしまった。
BLACKPINK(ブラックピンク)のジスが初主演を務めることで話題となったJTBC新ドラマ『雪降花』も例に漏れず、新型コロナウイルスの影響でドラマ撮影が中断されてしまった。
2021年に放送予定のドラマ『雪降花』は、1987年のソウルを背景に、ある日突然女子大の学生寮に血だらけのまま駆け込んできた名門大生のイム・スホ(チョン・ヘイン)と、厳しい監視の中でもその男性を介抱した女子大生ウン・ヨンチョ(ジス)の切なる愛の物語。ドラマ『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』の作家ユ・ヒョンミ、チョ・ヒョンタク監督が再びタッグを組んだ作品とあって、多くの期待を集めている作品だ。
ドラマ『雪降花』の制作側は「濃厚接触者であるエキストラが出演中であることが確認され、拡散防止と出演者やスタッフの安全を期すため撮影を一時中断した」とし「該当者と接触した全員に対して検査をし、結果を待っている状況」と説明している。
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また、12月よりスタート予定のJTBC新金土ドラマ『ハッシュ』でも同じく、エキストラが陽性判定を受けたことにより撮影が中断に。主演を務める少女時代(SNSD)のユナと俳優のファン・ジョンミンらも検査を受けるものと見られる。
このほか、イ・ジア、キム・ソヨン主演のSBS『ペントハウス』、キム・ジョンヒョン主演のtvN『鉄人王妃(原題)』、カム・ウソン、チャン・ドンユン主演のSBS『朝鮮駆魔師(原題)』なども同様の理由から撮影が中断となっている。
その理由と浮き彫りになった深刻さ
いずれもエキストラが陽性判定を受ける、または濃厚接触者に該当するというのが主な理由だ。
韓国でも日本と同じように、エキストラを各ドラマに仲介する業者が存在する。この会社を介してそれぞれの現場に派遣されるため、同じ人物がいくつものドラマに参加することも十分にあり得る。もし、それが感染者であれば今回のような事態を招くのも当然のことだろう。
ドラマ制作側も出演者や撮影スタッフに厳重な予防対策をしていても、1シーンにだけ出演するエキストラにまでは注意を払えなかったのかもしれない。
エキストラ仲介会社側は撮影の参加対象となる人物に十分な確認を取っていたのかという問題もある一方、エキストラは言わば一般人であり、その一般人に陽性判定者がいたということは、国内においての感染拡大がかなり深刻な状態であることも伺える。
放送業界が抱える問題と課題
各ドラマで同時多発的に起きてしまったことで、ドラマ制作の特性である撮影現場に多数の出演者やスタッフの動線が重なってしまうという盲点も明らかになり、同時に問題点も明確となった。
これは映画業界にも同じことが言える。映画はドラマと同じように撮影に対してのリスクがあるうえ、”公開”という高いハードルまで立ちはだかっている。クラスターの発生が懸念される中、公開に踏み切るには厳しいのが現状だ。今年の期待作であるソン・ジュンギ主演の『勝利号』もこの高いハードルを越えるため、映画館ではなくNetflixでの公開という新しい試みで踏み切った。
現在、残念ながら新型コロナウイルスの第3波の兆しが見え、映画や放送業界全体が再び緊張を強いられている。”withコロナ”と言われているいま、厳重な予防対策に加え、創意工夫も試されているのが現状だ。
BLACKPINK
BLACKPINK(愛称 ブルピン / ハングル 블랙핑크)は、韓国のガールズグループ。2016年にYGエンターテインメントによって結成。
メンバーは韓国出身のジス、ジェニー、オーストラリア出身のロゼ、タイ出身のリサによる4名。公式ファンクラブ名は「BLINK(ブリンク)」。
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