これまで、何度かBTS(防弾少年団)メンバーの軍入隊に関して、政治家が言及してきたが、再び文化体育観光部長官がこの問題に触れ、SNSで拡散された。BTSファンは、定期的に浮上するBTSの政治利用に辟易している。しかし、辟易しているのは、当事者も同じ。以前、SUGAがこの件について世に出したラップが思い出される。 (記事・写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

BTS(防弾少年団)を、再び政治利用しようとする”悪い大人”が現れた。

定期的に訪れてくる、切っても切れない政治とBTS

定期的に訪れてくる、切っても切れない政治とBTS‥。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

文化体育観光部のファン・ヒ(黃 熙)長官が、彼らの軍入隊について言及したのだ。

ファン・ヒ長官は、6月23日午後に放送されたYTNの番組に出演。この日から”*国威宣揚に貢献した大衆文化芸術家は、30歳まで軍入隊を延期することができる”という制度が施行された。

*国威宣揚:国の威光を示すこと

この制度に対し、ファン長官は「BTSがまだ推薦申請書を提出していないなら、申請すれば当然(軍入隊を)延期する方向で推進する」と述べている。

しかし一部では「今回の制度の恩恵が受けられる境遇にいるのは、BTS以外おらず、適用対象の拡大が必要だ」という指摘もあり、ファン長官は「公正性、公平性、国防部の意見をまとめて考えたい」とした。

BTSは、同月22日(現地時間)、米音楽専門メディア『ビルボート』が発表した最新チャート(6月26日付)によると、『Butter』がリリース初週に”Hot 100″(6月5日付)チャートで1位を記録した後、4週連続1位になったと伝え、アジア初の快挙を成し遂げている。

鎮静しては浮上する”政治とBTS”

周期的に政治というテーブルに挙げられるBTSという固有名詞。つい先日も、韓国・正義党のリュ・ホジョン議員が、”タトゥー合法化”を主張するために、ジョングクの写真を使用したとして、ファンから猛攻撃を受けたばかり。

無断で広告塔のようにされてしまったジョングク

無断で広告塔のようにされてしまったBTSジョングク。ARMYが激怒するのも無理はなし!(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

彼らをエンターティナーとして純粋に応援したいARMY(アーミー:BTSファン名称)たちは、そのたびに怒り、嘆き悲しんでいる。

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「彼らを優遇すれば、ARMYの票が自分に集まる」「BTSというキーワードを出せば、ファンは喜ぶ」という短絡的思考にうんざりしているのだ。

政治家が勘違いしてはいけないのは、ARMYが耳を傾けるべき相手は政治家ではなく、BTS7人の言葉だということ。

彼らはきちんと、軍入隊に関しては言及しており「大韓民国の青年として、兵役は本当に当然な問題だ。国に呼ばれたら、いつでも応じる」と答えている。

空白期はつらいが、ARMYは彼らの意見を尊重しているに他ならない。

(関連記事)BTS 来年同伴入隊報道に日韓の反応が分かれた理由‥韓国ファンのヒステリー

そして極め付きは、SUGA(シュガ)が発表したある楽曲だ。

『What do you think?』にSUGAだけじゃなく、7人の思いが込められている

『What do you think?』にはSUGAだけじゃなく、7人の思いが込められている。(写真提供:ⓒ TOPSTAR NEWS)

昨年5月に発売した、ミックステープ(非営利目的に制作し、フリーで配布される音楽)『D-2』に収録されている『What do you think?』の歌詞で、彼らに降りかかる様々な噂話を一喝している。

軍隊は時が来たら勝手に行くから
俺たちの名前をスプーンに載せて売ろうとしたヤツら
みんなみんな黙りなさい

※スプーンを載せる:「便乗する」「いいとこ取り」という意味の俗語

これがBTSの、ひいてはARMYの総意だろう。

オンラインコミュニティーでは、ARMYが怒りのやりどころがないと言わんばかりに、政治利用する人たちへ批判の声が続々書き込まれている。

以下、韓国ネットユーザーの反応

ファン長官の発言が、韓国オンラインコミュニティーのtheqooに登場したのは、6月23日の夜。多くのBTSファンが深夜にもかかわらず、コメントを通して怒りをぶちまけている。

「BTS入隊は、1年中話題よね‥本人たちは何も言ってないのに」

「そう、こんな記事が上がると、まるでBTSが働きかけているという印象が残るから、好感度下がるよね」

「政府与党から若者支持者の離脱を食い止めるためか(※)」

※リベラル思想が強い、韓国の現政権を支えてきた若者支持者の離脱が深刻化している。

「軍隊には行ってほしくないけど、恩に着せる政治家も見たくない」

「皆でSUGAのラップを合唱しよう! 俺たちの名前をスプーンに載せて売ろうとしたヤツらみんなみんな黙りなさい~」

「今はBTSを応援する人多いから”免除してやれ”みたいな雰囲気だけど、気まぐれな人間が多いから、延期、免除考えないで行ったほうがいいよ」

「そうね、一生付きまとうよね~。優遇されたとか、韓国人じゃないとか、海外に行けとか」

「韓国政治家どもよ、代わりにお前らの息子たちを行かせな。そうすれば次の選挙で勝つよ」

(コメント翻訳・編集:Danmee編集部)

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BTS

BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースにより誕生した。

HYBE(旧Big Hitエンターテインメント)所属。

デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。

ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。

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