今から11年前、BTSの産みの親であるパン・シヒョクが、BIGBANGのメンバーG-DRAGONの才能に言及したことがある。その内容とは一体‥?
世界的な人気を誇るK-POPアイドルBTS(防弾少年団)、そして世界におけるK-POPの地位を格上げしたBIGBANG(ビッグバン)。
両者の輝かしい略歴を羅列するには、本当に骨の折れる作業になりそうなので、敢えて割愛したい。とにかく世界の多くのファンに熱い支持を得ているグループである。これは間違いない!
BTS(画像出典:BTS Twitter)
BIGBANG(写真提供:©スポーツ韓国、画像出典:YG Entertainment)
BTSも、BIGBANGも、メンバーそれぞれが卓越した音楽センスや表現力を兼ね備えているが、BTSには”産みの親”と称されるパン・シヒョクと、BIGBANGにはリーダーでラッパーを務めるG-DRAGON(以下、GD)の存在をなくして、彼らが残した足跡を語ることはできない。
BTSの産みの親パン・シヒョク(画像出典:BigHitエンターテインメント)
BIGBANGのリーダーでラッパーを務めるG-DRAGON(写真提供:©スポーツ韓国)
周知のとおり、パン・シヒョクはJYPエンターテインメントでの修行を経て、自らが代表を務めるBigHitエンターテインメントを通じてBTSを世に送り出した。彼らを世界的なスターに育て上げた背景には、プロデューサー パン・シヒョクの手腕が挙げられる。一方、数多くの名曲を作曲&プロデュースしたG-DRAGONは、BIGBANGの成功における功績が実に大きい。2人とも今世紀が生んだ”最高の才能”と言える。
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そんなパン・シヒョク、実は11年前にGDの才能に言及したことがある。
2009年、GDの作曲やプロデュース能力に対して懐疑的な立場を取っていた韓国メディアに苦言を呈したのだ。
以下は、パン・シヒョクが当時自身のブログに綴った心境である。
「(GDは)私でさえ、いつも嫉妬するとてつもない才能を持っている作曲家であり、プロデューサーだ。BIGBANGの名曲を聴いた時の驚きは、その程が大きくて、まるでモーツァルトを見つめるサリエリのように不快感を覚えたほどだ。しかし、GDに対して作曲が”上手い下手”でもなく、”彼は作曲家なのか?”というお粗末な議論を繰り広げている状況を見ていると、韓国社会が才能を持っている人に対してどれほど無礼なのか、身をもって感じている。GDが作曲やプロデュースに没頭できるように、そしてまた我々を驚かせ、喜ばせる音楽を持って来られるように彼を放っておこう」
アントニオ・サリエリ(1750~1825)は、世界的な天才音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1761~1791)の才能を妬み、彼を死に追い込んだ人物として後代に知られているイタリア出身の音楽家である。モーツァルトの死を知らされたサリエリは「天才が死んだ。祝うべきことだ」と呟いたと伝えられている。
パン・シヒョクが綴った心境に、”モーツァルトとサリエリという、クラッシック音楽界の巨匠の仲”が用いられたことに違和感を露わにする声も上がったが、「GDへのリスペクトがよく伝わる」「自画自賛だと誤解する人もいるけど、GDを守ろうとするパン・シヒョクの優しい気持ちが本質」と当時話題となっていた。しかし、11年という歳月が経った今、2人は現実に大衆音楽の巨匠になっている。
いつの時代もどんな国も、大成した人物は白旗を潔くあげて相手のすごさを認める謙虚さを持ち合わせている。大いに見習いたいところだが、妬みが勝ってしまうのは凡人たるゆえんだろうか‥。
BTS
BTS(防弾少年団)は2013年6月13日にデビューした韓国の7人組男性アーティストグループで、パン・シヒョクのプロデュースによって誕生した。
BigHitエンターテインメントに所属している。
デビューアルバムは『2 COOL 4 SKOOL』、デビュー曲は『No More Dream』。
グループ名の”防弾少年団”には、10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守りぬくという意味が込められている。
ハングル表記は”방탄소년단(バンタンソニョンダン)”から”バンタン”と呼ばれることが多い。